オーク材とペーパーコードのラウンジチェアを木の床のリビングに1脚だけ置いた様子。ダイニングチェアとの違いを解説する記事のアイキャッチ

ラウンジチェアとは?ダイニングチェアとの違いとくつろぐ一脚の選び方

チェア

リビングに椅子をもう1脚だけ足したい。ソファを買い替えるほどではありませんし、食卓の椅子を運んでくるのも違う気がする。売り場をめくっていると、「ラウンジチェア」という名前に行き当たります。

ただ、それが普通の椅子と何が違うのかは、なかなか書いてありません。「くつろぐための椅子です」と説明されても、買うかどうかは決められませんね。座面が低い、背もたれが倒れている。そう紹介されていることもありますが、実際の商品を並べてみると、そのとおりになっていないのです。

河口家具製作所は1959年創業、福岡県大川市の家具メーカーです。オンラインショップでは食卓用の椅子も、リビングでくつろぐための椅子も扱っています。この記事では、売り場に並ぶ椅子の寸法を商品ページの記載から並べ直しました。ダイニングチェア38点、ラウンジチェア4点、1人掛けソファ5点です(2026年8月時点)。

先に結論を書きます。見分ける手がかりは、座面の高さではなく奥行きです。実物の寸法を並べて確かめたい方は、河口家具製作所のリビングチェア一覧を開いてから読み進めてください。

ラウンジチェアとは?くつろぐために生まれた椅子

ラウンジチェアとは、食事や作業のためではなく、体をあずけてくつろぐことを目的につくられた1人掛けの椅子です。

名前はホテルや空港のラウンジから来ています。人が待ったり、休んだり、しばらく居座ったりする場所に置かれてきた椅子。用途がそのまま呼び名になったものだと考えると、輪郭がつかみやすいでしょう。

表記はひとつではありません。「ラウンジチェアー」と伸ばして書かれることもあります。置く部屋のほうを主語にして「リビングチェア」と呼ばれることもありますね。コーヒーを片手に座る一脚という意味で「コーヒーチェア」と紹介されている場合もあります。指しているものは、おおむね同じです。

ここまでは名前の話でした。実際に迷うのは、売り場で寸法欄を見たときに、どこを見れば判断できるのかという場面でしょう。

ダイニングチェア・1人掛けソファとの違い

違いとは、座っている時間の長さと姿勢の差が、寸法として表れたものです。食事は30分から1時間、体を少し前に倒して。くつろぐ時間は数時間、体を後ろへあずけて。この差が、座面の高さと奥行きと幅に出ます。

座面の高さでは見分けられない

ダイニングチェア・ラウンジチェア・1人掛けソファの座面高と奥行きを同じ数直線で比べた図解。ラウンジチェアの43cmはダイニングチェアの42〜45.5cmと重なり、奥行きは48〜60.5cmと79〜80cmで18.5cm以上あく
座面高は帯が重なるのに、奥行きははっきり分かれます。売り場で見るべきなのは寸法欄の奥行きです。

一般には、ラウンジチェアは座面が低い椅子だと説明されます。ところがこの売り場で実際の数字を並べると、そうはなっていません。

ダイニングチェアは、座面高の記載がある37点すべてが42cmから45.5cmに収まっています。3.5cmしか幅がありません。作り手が違ってもこの帯に集まるのは、テーブルの高さがおおむね決まっているからでしょう。

一方、くつろぐための4点は座面高が32cmと43cmに割れています。43cmのほうは、ダイニングチェアの帯にそのまま重なっているのです。つまり座面の高さだけを見ても、その椅子が食卓用なのかくつろぐ用なのかは決まりません。

売り場で「座面が低いからラウンジチェアだろう」と判断すると、半分は外れてしまうでしょう。もう一段深いところを見る必要がありますね。

分かれ目は奥行きにある

奥行きとは、商品ページの寸法欄に記載されている前後方向の長さです。その椅子が床にどれだけの前後幅を取るかを表しています。ここだけは、2つのカテゴリがきれいに分かれます。

ダイニングチェア38点の奥行きは48cmから60.5cm。全点が60.5cm以下に収まっています。対してラウンジチェア4点は79cmと80cm。もっとも奥行きの深いダイニングチェアより、さらに18.5cm以上深いことになります。

この18.5cmが何を意味するのか。体を後ろへ倒す余地があるかどうかの差ですね。奥行きの浅い椅子は、腰を奥まで入れると背中がすぐ背もたれに当たります。上体を起こしたまま座る形になるので、食事や作業には都合がいいでしょう。ただ、体重を預けて寄りかかるだけの奥行きは残っていません。

奥行きが深い椅子は逆です。腰を奥まで滑らせても、背中がまだ受け止められる。体重を背もたれに預けたまま、脚だけを前に伸ばせます。数時間そこにいることを前提にした寸法。ラウンジチェアの正体は、この余白のことだと考えていいでしょう。

なお、背もたれの高さは判断材料になりません。座面から背もたれの上端までを計算してみます。ラウンジチェアは38cmと40cm。ダイニングチェアのほうは25.5cmから47.5cmまで広がっています。

背の高いダイニングチェアのほうが、くつろぐための一脚より背もたれが高いことすらあるのです。効いているのは高さではなく、体を受け止める角度と奥行きのほうですね。

背もたれの形そのものが座り心地をどう変えるかは、この記事では扱いません。奥行きの話に絞ります。

1人掛けソファとの違いは幅に出る

くつろぐための1人ぶんの席という点では、1人掛けソファも同じです。違いは幅に出ます。

1人掛けソファ5点の幅は85cmから100cm。ラウンジチェア4点は65cmから76cmでした。もっとも幅の狭い1人掛けソファで85cm。もっとも幅の広い一脚でも76cmですから、9cm狭いことになります。4点とも、どの1人掛けソファより幅を取りません。

ところが奥行きは違います。1人掛けソファは75cmから102cm。ラウンジチェアの79cmと80cmは、この帯の中にすっぽり入ります。座面の高さも、記載のある1人掛けソファ3点が33cmから38cm。この一脚の32cmは、むしろこちらに近い数字かもしれません。

奥行きはソファ寄り、幅は椅子寄り。座り心地の深さはソファに近いのに、床に置く幅は椅子のまま。ソファを増やす余地がない部屋でも、一脚なら収まることがあるのは、この寸法の組み合わせによるものでしょう。

リビングに置けるか?1脚ぶんの寸法から考える

ラウンジチェア2型と1人掛けソファ2型が床に描く四角形を同じ縮尺で並べた図解。ラウンジチェアは約0.52・約0.60平方メートル、1人掛けソファは約0.64・約1.01平方メートル
同じ1人ぶんの席でも、床に描く四角形は上限どうしで約1.7倍ちがいます。テープで貼って確かめられる大きさです。

1脚ぶんの占有寸法とは、椅子の幅と奥行きが床に描く四角形の大きさのことです。カタログの数字を面積に直すと、置けるかどうかの見当がつきます。

くつろぐための一脚は、幅65×奥行80cmで約0.52平方メートル。もう一方は幅76×奥行79cmで約0.60平方メートルです(幅×奥行の計算値・2026年8月時点)。

同じ1人ぶんの席でも、1人掛けソファは幅85×奥行75cmで約0.64平方メートル。大きいものになると、幅99×奥行102cmで約1.01平方メートルです。上限どうしで比べると、床に置く四角形は1.7倍ほどの開きがあります。座れる人数は同じなのに、部屋の使い方はずいぶん変わりますね。

置き方でも景色が変わります。3人掛けソファの隣に同じ向きで並べるのか、90度振って向かい合わせるのか。この一脚の幅は65cmから76cmなので、ソファの端とテレビボードのあいだに差し込める余地が残ることもあります。

置けるかどうかを今日のうちに確かめる方法があります。マスキングテープで、床に幅と奥行きの四角を貼ってみてください。座って脚を前に出すぶんの余地は、商品ページの寸法に含まれていません。四角の前へもう一歩ぶん足しておくと、実感に近づくでしょう。テープをまたいで歩いてみて、通りにくさが出るようなら、置き方を変えるか一回り小さい一脚に絞る合図でしょう。

通路の幅や部屋の広さから逆算したい場合は、寸法の話をもう一段くわしくまとめた記事があります。ソファのサイズと部屋の広さ別の選び方|失敗しない置き方と通路幅で、測り方とレイアウトの考え方を整理しました。この記事では、ラウンジチェア1脚ぶんの寸法の話にとどめます。

もうひとつ、座面高とテーブルの関係だけは先に見ておきたいところ。座面高32cmの一脚と43cmの一脚では、同じ天板でも手の下ろし方が変わります。カップを置くときに肘が上がりすぎないか、逆に手を落としすぎないか。判断の基準は天板の高さではなく、自分が座る一脚の座面高のほうですね。テーブル側の選び方はセンターテーブルの選び方|サイズ・高さ・素材で暮らしに合う一台を選ぶにまとめてあります。

座り心地を決める3つの要素

座り心地とは、座面の高さと奥行きが決める姿勢、座面の作り、フレームの構造という3つが重なって決まるものです。どれかひとつでは決まりません。

座面の高さと奥行きが姿勢を決める

座面がどれくらい後ろへ傾いているかは、商品ページに角度としては書かれていません。数字が無いものを推測で語るより、記載のある座面高と奥行きの組み合わせから読むほうが確実でしょう。

座面高32cm・奥行79cmの一脚は、腰を奥まで入れると膝が腰より高い位置に来ます。上体は自然と後ろへ流れ、背中が背もたれに落ち着きますね。長い時間そこにいるための姿勢でしょう。

座面高43cm・奥行80cmの一脚は、足の裏を床につけたまま深く座れます。立ち上がるときに使う力が少なくて済むぶん、席を立つ回数が多い暮らしに向いていますね。

どちらが優れているという話ではありません。判断の軸は、その椅子に何時間座るつもりかというところ。腰を落ち着けて動かない時間が長いなら低く深い一脚、出入りが多いなら高めの一脚です。

座面の作りが体圧の逃げ方を決める

座面には、生地を張ったものと、座面そのものを編んだものがあります。今回並べた4点には、その両方がそろっていますね。材質欄を見ると、片方はポリエステルを張った座面、もう片方はペーパーコードで編んだ座面と記載されています。

張った座面は、体重が面で受け止められます。編んだ座面は、荷重がかかるとわずかにしなって体圧を散らしますね。同じ時間座っていても疲れ方が違ってくるのは、この受け止め方の差によるものかもしれません。

季節の体感にも差が出ます。編んだ座面は空気が抜けるため、夏場に背中がこもりにくいでしょう。逆に、冬に座った瞬間のひんやり感は張った座面のほうが穏やかかもしれません。

張地の種類ごとの比較や手入れの違いは、この記事では扱いません。ここでは、座り心地にどう効くかという1点にとどめます。

フレームが安定感と動かしやすさを決める

フレームで変わるのは、きしみ方と動かしやすさです。

重量は、木製のフレームで組んだ一脚が11kg。スチールと天然木を組み合わせた一脚が13kgです(2026年8月時点の商品ページ記載)。耐荷重はどちらも80kgでした。11kgから13kgという重さは、模様替えのときに一人でも持ち上げられる範囲。置き場所を何度か試せるのは、ソファには無い一脚の利点でしょう。

組み立ての有無も座り心地に関わります。片方は完成品として届き、もう片方は約15分の組み立てが必要と記載されています。ねじの締まりが少しずつ緩むと、それがきしみの原因になりますね。使っているうちに音が気になってきたら、一度締め直しておくと落ち着くでしょう。

河口家具製作所のラウンジチェア

河口家具製作所のラウンジチェアとは、リビングでくつろぐことを前提に、奥行きを深くとった1人掛けの椅子です。オンラインショップのチェアのなかでは、もっとも高い価格帯にあたります。51,150円から65,450円です(2026年8月時点)。

ラウンジチェア【NA】は65,450円。幅76×奥行79×高さ70cm、座面高32cm。材質は天然木(オーク)とペーパーコード、ウレタン塗装です。重量11kg、耐荷重80kg、組み立て無しの完成品。生産国は中国と記載されています。

木製のフレームに編んだ座面という組み合わせで、低く深い座面が特徴です。腰を落ち着けて動かない時間が長い方に向く一脚でしょう。同じ寸法・同じ価格で、色違いの【BK】もあります。

ラウンジチェア【GY】は51,150円。W65×D80×H83cm、座面高43cm。材質はスチール(粉体塗装)、ポリエステル、天然木、ラッカー塗装です。重量13kg、耐荷重80kg、組み立てが必要(約15分)。生産国は中国と記載されています。

足の裏を床につけたまま深く座れるので、席を立つ回数が多い暮らしになじむ一脚。こちらも色違いの【CA】が同じ寸法・同じ価格で並んでいます。

この2脚を扱っているのは、1959年創業の家具メーカーです。本社は福岡県大川市にあります。グレージュやトープを基調とした淡色のシリーズを早くから手がけてきました。「目くばり、気くばり、心くばり」という言葉を置いて、部屋になじむ色と佇まいを整えることを続けています。

木の色や生地の色を部屋全体と合わせたい場合は、リビング一式でのまとめ方を書いた記事があります。グレージュのリビングコーディネート|ソファ・テーブル・テレビボードに、色の合わせ方をまとめました。

寸法や価格を横に並べて見比べたい方は、河口家具製作所のチェア一覧から確認できます。

よくある質問

ラウンジチェアとダイニングチェアはどこを見れば見分けられますか

奥行きを見てください。オンラインショップの売り場では、ダイニングチェア38点の奥行きが48cmから60.5cmに収まっています。ラウンジチェア4点は79cmと80cmです(2026年8月時点)。座面の高さは両者で重なるため、見分けには使えません。商品ページの寸法欄で奥行きだけを比べるのが、いちばん確実な方法でしょう。

ラウンジチェアは1脚でどれくらいの床面積を使いますか

幅65〜76cm、奥行79〜80cm。床に置く四角形は約0.52〜0.60平方メートルです(2026年8月時点・幅×奥行の計算値)。1人掛けソファの約0.64〜1.01平方メートルより小さく収まります。実際に置けるかどうかは、マスキングテープで床に同じ大きさの四角を貼り、その前にもう一歩ぶん足して歩いてみると分かります。

1人掛けソファとラウンジチェアはどちらを選べばいいですか

幅で決めるのが分かりやすいです。1人掛けソファの幅は85〜100cm、ラウンジチェアは65〜76cmで、後者のほうがどれも狭く収まります。置ける幅に余裕があり、包まれるような座り心地を求めるなら1人掛けソファ。幅は抑えたいけれど座り心地の深さは残したいなら、ラウンジチェアが近い選択肢になるでしょう。

ラウンジチェアに合わせるテーブルの高さはどう考えればいいですか

天板の高さからではなく、自分が座る一脚の座面高から考えてください。座面が低い一脚ほど、天板も低いほうが手を落とさずに済みます。手元にカップを置くだけなら、座面より少し低いか同じくらいの高さが扱いやすいでしょう。座面高を先に決めてから、天板の高さを合わせにいく順番が失敗しにくいです。

ラウンジチェアの座面が低いと立ち座りがつらくなりませんか

座面が低いほど、立ち上がるときに使う力は増えます。ただ、ラウンジチェアの座面高がすべて低いわけではありません。オンラインショップには、32cmの一脚と43cmの一脚があります(2026年8月時点)。席を立つ回数が多い暮らしなら、高いほうを選べば負担は抑えられるでしょう。腰かけたまま体を支えられる形かどうかも、あわせて見ておきたいところ。

まとめ|奥行きを見れば、その椅子が何のための椅子か分かる

ラウンジチェアかどうかを決めているのは、名前でも見た目でもなく寸法でした。

今回並べたのは、オンラインショップにある椅子とソファ47点です。数字はその範囲での話ですが、奥行きを見るという判断の手順は、どの売り場でもそのまま使えるでしょう。

  • 座面の高さでは見分けられない。ダイニングチェアは42〜45.5cm、ラウンジチェアは32cmと43cmで帯が重なる
  • 分かれ目は奥行き。今回の47点では、48〜60.5cmが食卓の椅子、79〜80cmがくつろぐための椅子
  • 1人掛けソファとの差は幅に出る。85〜100cmと65〜76cmで、置ける場所が変わる
  • 1脚の占有は約0.52〜0.60平方メートル。床にテープで四角を貼れば、今日のうちに確かめられる

奥行きが深い椅子は、そこに長くいることを前提につくられています。食卓の椅子が奥行きを詰めているのは、すぐ立つ前提だから。どちらが良い悪いではなく、その椅子がどんな時間のためにつくられたかが、数字に残っているだけなのでしょう。

休日の午後、日が傾いてくる時間。ソファには家族がいて、少し離れた一脚に腰を下ろす。コーヒーが冷めるまでのあいだ、誰にも何も言わずに本を開く。その30分のために椅子を1脚足すという選び方も、部屋の使い方としてあるのでしょう。

河口家具製作所について

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