スツールを1脚だけ足そう。そう思って売り場を開くと、30cm、40cm、41cm、43cm、69.5cmと高さの数字が並びます。どれも座れそうで、どれが自分の家に合うのかは決まりません。
迷いが解けないのは、選択肢が多いからではないでしょう。商品ページに書いてあるのは寸法だけで、その高さが何のための高さなのかは書かれていないからです。数字だけを見比べても、答えは出てきませんね。
河口家具製作所は1959年創業、福岡県大川市の家具メーカーです。オンラインショップのスツール売り場には、7点が並んでいます。この記事では、その7点の実寸だけを使って説明します。一般的な目安の話は持ち込みません。
実物の高さと価格を並べて確かめたい方は、河口家具製作所オンラインショップのスツール一覧をご覧ください。
先に決めるのは高さではありません。座る時間の長さです。それが決まると合わせる相手が決まり、高さの帯は自然に絞れます。読み終えたときには、自分の暮らしに合う帯と、そこに入る候補が手元に残るはずですね。
目次
スツールの高さは何を基準に決めるのか

スツールの高さとは、床から座面までの寸法です。座る時間の長さと、合わせる相手の高さによって、向いている範囲が変わります。
基準は2つだけです。この2つが決まれば、7点は数点まで絞れるでしょう。
座る時間で決まること
靴を履くあいだの数十秒か、食事の30分か、書きものをする1時間か。まずここを決めます。
スツールには背もたれがありません。背中を預けられないぶん、時間が長くなるほど姿勢を保つ負担が増えていきます。長く座る用途なら、そもそも椅子のほうが向いているかもしれません。
短い時間なら、背もたれがないことは軽さと身軽さに変わるでしょう。持ち運べる、どの向きからでも座れる、使わないときは隅に寄せられる。時間の長さは、そのまま家具の性格の選択になりますね。
合わせる相手で決まること
次に、何に向かって座るのかを決めます。相手は4つです。
- 床やローテーブル
- 向かい合う相手がない場所(玄関の土間、部屋の隅)
- 食卓のテーブル
- 立ったまま使う高さのカウンター
相手が高くなるほど、座面も上がります。当たり前のようでいて、売り場の数字を見ているだけでは意識から抜け落ちるところでしょう。先に相手を決めてしまえば、選ぶ帯は1つに絞れます。
商品ページの「高さ」は座面の高さなのか
ここで一度、数字の読み方を確かめておきます。
7点のうち、座面の高さが別に書かれているのは1点だけです。ペーパーコードスツールが、全体の高さ46cmに対して座面高さ45cmと記載されています。残る6点に書かれているのは、全体の高さだけです。
ただ、この売り場のスツールは7点とも背もたれがありません。座面から上に伸びるものがないため、全体の高さはほぼ座面の位置と重なります。だから商品ページの「高さ」は、そのまま座面の高さとして読んで差し支えないでしょう。
ずれが出るとしても、ペーパーコードスツールの1cmほど。数字を比べるときに気にする幅ではありません。
ひとつだけ、布や革を張った座面は例外になります。体重をかけると沈むぶん、座ったときの高さは表記より低くなるでしょう。売り場では、コットンと発泡ビーズのラウンドスツールと、本革を張ったレザースツールがこれにあたります。
7点の高さを低い順に並べると、30cm、40cm、41cm、43cm、43.5cm、46cm、69.5cm。40cmから46cmのあいだに5点が集まり、その下に30cmが1点、上に69.5cmが1点という並びです。46cmと69.5cmのあいだは、まるごと空いています。
高さ30cm・40cm|床座に近い暮らしと、玄関・サブ椅子の高さ

高さ30〜40cmのスツールとは、床やローテーブルに近い位置で、短い時間だけ腰かけるための一脚です。食卓の椅子としては低く、別の役割を持ちます。
高さ30cm|床に近い姿勢のための高さ
売り場でいちばん低いのは、高さ30cmのニットスツールです。幅28×奥行28×高さ30cm、6,380円。編み座面に木の脚を組み合わせた一脚で、生産国は中国です。
この30cmという数字がどのくらいかは、同じ売り場の椅子と比べると見えてきます。河口家具製作所のラウンジチェア【NA】【BK】は、座面高32cmです。くつろぐための椅子と、ほとんど同じ帯にあります。
つまり30cmは、床に近い姿勢のための高さですね。ラグを敷いた部屋でローテーブルを囲む夕方、床に座る家族の隣に一脚だけ置く。子どもが自分で腰を下ろせる高さでもあるでしょう。
高さ40cm|立ち座りが楽になる境目
同じシリーズに、高さ40cmのニットスツールがあります。幅28×奥行28×高さ40cm、7,480円。素材も色も30cmのものと同じで、生産国は中国です。
10cm上がると、腰の落ちる深さが変わります。30cmでは膝を大きく曲げて座る姿勢になり、40cmでは腰をすとんと下ろす姿勢に近づくでしょう。立ち上がるときに使う力も、そこで変わってきます。
玄関に置く一脚を探しているなら、この差は毎朝効いてくるでしょう。靴を履くあいだ腰を下ろすだけの短い時間ですが、そこから立ち上がる動作は毎日繰り返されるものですから。
30cmと40cm、10cmの差で変わること
この2点は、幅も奥行も素材も色も同じです。違うのは高さ10cmと、2kgと2.5kgという0.5kgの重さだけです。
だからこの2点は、10cmが何を変えるのかを確かめる材料になりますね。足の裏が床につく面積、膝の角度、立ち上がるときに腰にかかる力。どれも高さだけで変わる部分でしょう。
床に近い暮らしを続けたいなら30cm。立ち座りの回数が多い場所なら40cmでしょう。そう考えると、迷う幅はかなり狭くなるはずです。
高さ45cm前後|食卓の椅子と座面のラインを揃える
高さ45cm前後のスツールとは、ダイニングチェアと同じ座面の帯に入る一脚です。食卓に混ぜて使っても、座面のラインが揃います。
45cm前後が食卓に合う理由
理由は、椅子側の数字にありました。河口家具製作所のダイニングチェア売り場には、38点が並んでいます。そのうち座面の高さが記載されている37点は、42cmから45.5cmのあいだに収まりました。
代表的なところを挙げると、次のようになります。
- CK-01 チェア:42cm(ペーパーコードタイプ・グレージュ)
- Ordinary ダイニングチェア:42.5cm
- CAPE レザーチェア:43cm
- ペーパーコードアームチェア:43cm
- ペーパーコード肘ありチェア・肘なしチェア:44cm
- Lily チェア:45cm
- FOGGY ダイニングチェア:45cm
食卓ですでに使っている椅子がこの帯にあるなら、スツールも同じ帯を選べばいい。それだけの話ですね。
座面のラインを揃えるという考え方
来客の日に、一脚だけ足す。そのとき気になるのは、そこだけ座面が沈んで見えないかどうかでしょう。
売り場でこの帯に入るのは4点です。レザースツールが41cm、ラウンドスツールが43cm。スツールチェアが43.5cmで、ペーパーコードスツールは座面高45cmです。いちばん離れている41cmと45cmでも、差は4cmにとどまります。
数cmの差なら、並べても座面のラインは崩れにくいでしょう。人数が増えた日に角へ一脚差し込んでも、そこだけ浮いて見えにくい寸法差ですね。
スツールチェアは、幅42.5×奥行36×高さ43.5cmの一脚です。価格は25,850円で、生産国はベトナムになります。
テーブルの高さから詰めたい場合
ここまでは、椅子と椅子の座面を揃える話でした。手持ちのテーブルに合わせたい場合は、先に天板の高さを測ってください。
その数字を持ってダイニングテーブルの高さ選び|一般的な目安・椅子との差尺・身長別の選び方へ進むと、答え合わせができます。テーブルの高さがまだ決まっていない段階なら、先にそちらへ進んだほうが早いかもしれません。
ハイタイプ|カウンターに合わせる高さと注意点

ハイタイプのスツールとは、立ったまま使う高さのカウンターに向かって座るための、座面の高い一脚です。ここまでの帯とは、用途がはっきり分かれます。
ハイタイプは何cmからか
売り場の7点で「ハイタイプ」と名前がついているのは1点だけ。高さ69.5cmのスツールチェアです。幅43×奥行39cmの座面で、価格は31,350円、生産国はベトナムです。
何cmからをハイタイプと呼ぶか、はっきりした線引きがあるわけではありません。ただ、この売り場では答えが分かりやすい形で出ています。残る6点は30cmから46cmに収まり、46cmと69.5cmのあいだには何も置かれていません。
20cm以上の空白があるということは、そのあいだの高さに用途がないということでしょう。ハイタイプは、食卓用のスツールを少し高くしたものではありません。合わせる相手が違う、別の家具ですね。
カウンターに合わせる
その相手はどれくらいの高さなのでしょうか。河口家具製作所のキッチンカウンターで確かめてみます。
売り場のキッチンカウンターは、天板の高さが90cm前後のものが大半です。下は88cm、上は93cmまで幅がありました。立ったまま調理台として使うことを前提にした高さですね。
90cm前後の天板に対して、69.5cmの座面。この組み合わせが、カウンターに向かって座るときの基本形になります。天板と座面の差がどれくらい心地よいかは、座る人の体格と使い方で変わるところ。実物の高さを測ってから決めるのが確実でしょう。
なお、据え置きのカウンター家具は商品ごとに天板の高さが違います。手持ちのカウンターや、住まいに造り付けられたカウンターに合わせる場合は、購入前に実際の数字を測ってください。
高い座面で起きること
座面が高くなると、座り方そのものが変わります。確かめておきたいのは3つです。
1つ目は、足が床に届かないこと。高さ69.5cmの座面に腰かけると、多くの方は足が宙に浮くでしょう。このスツールチェアには脚のあいだに貫が渡してあり、そこへ足を乗せられる形になっています。足を掛ける場所があるかどうかは、座り心地をかなり左右するところですね。
2つ目は、立ち座りの動作です。腰を落として座るのではなく、座面に腰を乗せて体を持ち上げる動きになります。ここまでの帯とは、体の使い方が変わってくるでしょう。
3つ目は、使う人です。座面が高いぶん、小さなお子さんが自分で上り下りするには向きません。背もたれもないので、カウンターでコーヒーを飲む、朝の支度の合間に腰かける、といった短い時間の使い方が中心になるでしょう。
形で変わる使い勝手(丸・角・背もたれの有無)
スツールの形とは、座面の輪郭と背もたれの有無のことです。高さが同じでも、置き方と座り方が変わってきます。
丸い座面と角のある座面
売り場の7点は、丸と角に分かれます。
丸いのは3点です。ニットスツールの2点が幅28×奥行28cmの編み座面、ラウンドスツールが約W45×D45×H43cmになります。ラウンドスツールは、コットンとポリウレタン(発泡ビーズ)でできた布張りの一脚。価格は19,800円で、生産国はインドです。発泡ビーズを詰めた座面なので、腰を下ろすと表記の43cmより沈むでしょう。カバーは取り外せるカバーリング式になっています。
角があるのは4点です。ペーパーコードスツールが幅40×奥行40cm、レザースツールが幅50×奥行50cm。スツールチェアは幅42.5×奥行36cm、ハイタイプのスツールチェアは幅43×奥行39cmになります。
丸い座面は、向きという概念を持ちません。どの方向から近づいても座れるので、通路寄りに置いても引っかかりにくいでしょう。角のある座面は、置いたときに列が揃いますね。壁づけやテーブルの辺に沿わせるなら、こちらのほうが収まりがいいかもしれません。
背もたれがないということ
この売り場のスツールは、7点とも背もたれがありません。
背もたれがないと、座面の上に何も立ち上がりません。部屋の隅に置いても壁が見えたまま残り、圧迫感の出方が椅子とは変わってきます。同じ面積を占めていても、視界の詰まり方が違うわけですね。
一方で、背中を預ける場所はありません。だからここでも、座る時間が効いてきます。短い時間なら身軽さが勝ち、長い時間なら背もたれのある椅子のほうが体は楽でしょう。
座面の素材で変わる部分
編まれた座面、布で覆われた座面、木を削り出した座面。同じ高さでも、腰を下ろした瞬間の当たりは変わります。硬さ、沈み込み、素足で座ったときの感触。どれも素材で決まる部分でしょう。
素材ごとの特徴と手入れまで見ておきたい方には、ペーパーコードスツールの使い方|座り心地とサイズを職人が解説があります。紙紐で編んだ座面を例に、座り心地と扱い方をまとめた記事です。
複数人で座るなら
1人分の座面を、必要なぶんだけ1脚ずつ足していく。それがスツールという家具の使い方です。
これが1枚の座面を家族で共有する形になると、ベンチという別の家具になります。座る人数の融通は利きますが、置き場所を決めて使う前提に変わるところでしょう。我が家にダイニングベンチは合う?メリット・デメリットと選び方を解説で、向き不向きを整理しています。
河口家具製作所のスツール
スツール売り場には、高さ30cmから69.5cmまで7点が並びます。高さの低い順に並べ直しました。
先にお伝えしておきたいことがあります。この7点の生産国は、中国が3点、ベトナムが3点、インドが1点です。国内でつくっている一脚は、この売り場にはありません。河口家具製作所は福岡県大川市に工場を持つメーカーですが、この7点は自社の工場でつくっているものではありません。産地を含めて、そのままお伝えしておきます。
- 【高さ30cm】ニットスツール【3色】。幅28×奥行28×高さ30cm。天然木(パイン)オイル仕上げ、ポリエステル。重さ2kg、耐荷重70kg、完成品。6,380円。生産国は中国。ライトグレー・ライトベージュ・ダークグレーの3色
- 【高さ40cm】ニットスツール【3色】。幅28×奥行28×高さ40cm。素材と色は30cmのものと同じ。重さ2.5kg、耐荷重70kg、完成品。7,480円。生産国は中国
- レザースツール【3色】。幅50×奥行50×高さ41cm。木フレームと本革。重さ8kg、耐荷重80kg、完成品。33,550円。生産国は中国。キャメル・ブラウン・ブラックの3色
- ラウンドスツール。約W45×D45×H43cm。コットン、ポリウレタン(発泡ビーズ)。重さ2kg。19,800円。生産国はインド。カバーは取り外せます
- スツールチェア【ナチュラル/ブラウン】。幅42.5×奥行36×高さ43.5cm。天然木(オーク)ウレタン塗装。耐荷重80kg、完成品。25,850円。生産国はベトナム
- ペーパーコードスツール【ナチュラル/ブラウン】。幅40×奥行40×高さ46cm(座面高さ45cm)。天然木(アッシュ)ウレタン塗装、ペーパーコード。重さ3.5kg、耐荷重80kg、完成品。16,500円。生産国はベトナム
- 【ハイタイプ】スツールチェア【ナチュラル/ブラウン】。幅43×奥行39×高さ69.5cm。天然木(オーク)ウレタン塗装。耐荷重80kg、完成品。31,350円。生産国はベトナム
7点すべてを高さと価格で見比べるなら、河口家具製作所オンラインショップのスツール一覧から。背もたれのある椅子まで含めて選び直したい場合は、河口家具製作所オンラインショップのチェア一覧に52点が並んでいます。
よくある質問
スツールの高さは何を基準に選べばいいですか
座る時間の長さと、合わせる相手の高さの2つです。靴を履くあいだの数十秒なら、低めでも構わないでしょう。食卓で使うなら40cm台前半から45cm、立って使う高さのカウンターならハイタイプになります。スツールには背もたれがないため、座る時間が長くなるほど姿勢を保つ負担が増えていくでしょう。
高さ30cmのスツールはどんな場所で使いますか
床やローテーブルに近い位置です。河口家具製作所のラウンジチェア【NA】【BK】は座面高32cmで、30cmはそれに近い帯にあたります。ローテーブルを囲む場面や、子どもが自分で腰を下ろす場面に向くでしょう。食卓の椅子として使うには低すぎますね。
ハイタイプのスツールはカウンターに合いますか
ハイタイプのスツールは、立ったまま使う天板に向かって座るための高さです。河口家具製作所のキッチンカウンターは、天板の高さが90cm前後のものが大半で、88cmから93cmまで幅があります。ハイタイプのスツールチェアは高さ69.5cmで、この組み合わせが基本形になります。手持ちのカウンターに合わせる場合は、天板の高さを実際に測ってからお選びください。
高さの違うスツールを同じ食卓で混ぜて使っても大丈夫ですか
座面の高さが数cm以内に収まっていれば、並べても崩れにくいでしょう。売り場では41cm、43cm、43.5cm、45cmの4点がこの帯に入ります。いちばん離れている組み合わせでも、差は4cmにとどまります。30cmや40cmの一脚を同じ食卓に混ぜると、座る高さの違いは、そのまま姿勢の違いになりますね。食卓で使うなら、41cmから45cmの帯から選ぶほうが揃うでしょう。
ハイタイプのスツールは足が床に届かなくても座れますか
足を掛けられる場所があるかどうかで変わります。ハイタイプのスツールチェアは、脚のあいだに貫が渡してあり、そこへ足を乗せられる形です。足が宙に浮いたままだと、短い時間でも落ち着きにくいかもしれません。
まとめ|座る時間と合わせる相手から、高さを決める
決める順番を振り返ります。
- どれくらいの時間、座るのかを決める。短ければスツール、長ければ背もたれのある椅子
- 何に向かって座るのかを決める。床やローテーブルなら30cm、玄関や部屋の隅なら40cm前後、食卓なら41cmから45cm、立って使う高さのカウンターなら69.5cmのハイタイプ
- 帯が決まったら、丸か角か、座面の素材はどれかで最後の一脚を絞る
読み終えて手元に残るのは、3つの数字です。自分が座る時間の長さ。合わせる相手の高さ。そこから絞れた座面の高さの帯。この3つが揃えば、7点は数点まで減っているはずです。
一脚のスツールは、食卓の角にも、玄関の隅にも、ローテーブルの脇にも置けます。置き場所が決まっていない家具だからこそ、高さだけは先に決めておきたいところ。朝の支度の数十秒と、来客の日の30分。その両方を思い浮かべながら選んだ一脚は、暮らしのなかで自然と居場所を見つけていくでしょう。
河口家具製作所について
- 公式サイト:kawaguchikagu.jp
- オンラインショップ:kawaguchikagu-online.com
- バーチャルショールーム:バーチャルショールームを見る
- Instagram:@kawaguchikagu
