幅296cmのセミオーダーキッチンカウンター(引出タイプ)を壁に付けて置いた使用シーン。白い天板に木目の前板が並ぶ

キッチンカウンターのセミオーダー|変えられる範囲と費用の考え方

キッチンカウンター

一覧を上から順に見て、それでも幅が合わなかった。あるいは幅は合ったのに、選べる色が2つしかなかった。そんな行き止まりの先で「セミオーダー」という言葉にたどり着いた方も多いでしょう。

この言葉は、注文画面を開く前と後で印象が変わります。開く前に想像するのは、寸法を自由に作れる仕組み。実際に画面で選ぶのは、用意された選択肢の組み合わせです。ここがそろわないまま読み進めると、期待だけが先に膨らんでいきますね。

河口家具製作所は1959年創業、福岡県大川市の家具メーカーです。オンラインショップに並ぶキッチンカウンターは32点、そのうちセミオーダーは3型あります。この記事で使うのは、その3型の商品ページに書かれている内容だけです。

先に結論を置きます。変えられるのは幅3種類、ダストか引出かのタイプ、天板と下台のメラミン品番。この3つだけです。奥行47cmと高さ90cmは3型とも共通で、選択肢としては用意されていません。

読み終えたときに手元に残るのは2つ。自分の間口が既製品で埋まるかどうかの答えと、幅を1段上げるといくら変わるのかという実額です。

キッチンカウンターのセミオーダーとは(上置きなしの別注で選ぶもの)

キッチンカウンターのセミオーダーとは、決まった型をもとに、幅とタイプと色柄を選んで注文する受注生産のことです。

この記事で扱うのは、上に棚を載せない腰高のキッチンカウンター3型に限ります。上置きを組み合わせるタイプは考え方が変わるため、ここでは踏み込みません。

3型に共通しているものから見ていきます。奥行は47cm、高さは90cmです。天板と下台はアイカ工業のメラミン、内部は強化化粧シート、背面はプリント化粧仕上げです。いずれも受注生産で、商品ページには仕上がりまで60日と記載されています。

そのうえで注文時に選ぶのは3つです。幅は178.2cm・236.2cm・296.2cmの3種類です。タイプはダストタイプか引出タイプの2択。そして天板と下台のメラミン品番を指定します。

オーダーとセミオーダーという言葉の違いや、注文から届くまでの流れそのものは、別の記事にまとめてあります。仕組みのほうから知りたい方は、カップボードはオーダーで暮らしに合わせる|既製品との違いと注文の流れをご覧ください。

並んでいる32点をそのまま見比べたい方は、河口家具製作所のキッチンカウンター一覧からどうぞ。

セミオーダーの3つの幅は、既製のどこを埋めているのか

セミオーダーキッチンカウンター3型の幅が既製品のどこに入るかを示した図解。178.2cmは既製の帯の中、236.2cmは218〜238cmの空白の中、296.2cmは既製の最大245cmを超える位置にある
幅を理由にセミオーダーを選ぶ意味があるのは、238cmの手前あたりと、245cmを超える間口の2箇所です。

既製品とセミオーダーの関係とは、幅の刻みのどこが埋まっていて、どこが空いているかという関係です。

河口家具製作所の既製品は、幅120cmから245cmまで並んでいます(2026年8月時点)。刻みは均一ではありません。隣り合う幅の差は1cmから11cmです。ところが218cmと238cmの間だけは、20cmまるごと空いたままです。

ここにセミオーダーの3つの幅を重ねると、役割がはっきり分かれます。

178.2cmは、既製品に178cm・179cm・180cmが並んでいる帯の中に入ります。つまりこの型は、幅の空白を埋めているわけではありません。178cm前後の間口なら、既製品にも候補があるということですね。この型を選ぶ理由は、幅以外のところにあるのでしょう。

236.2cmは、20cm空いた帯の中に入る唯一の一台です。ただし238cmまで1.8cmしか残りません。219cmから235cmの間口をぴったり埋める一台は、既製品にもセミオーダーにも無いことになります。

296.2cmは、既製品の最大幅245cmを超える唯一の一台です。245cmより広い間口を受けられるのは、この型だけです。

まとめると、幅を理由にセミオーダーを選ぶ意味があるのは2箇所だけ。238cmの手前あたりと、245cmを超える間口です。それ以外の幅なら、既製品の中に候補が残っています。

カップボードやキッチンボード、あるいは食器棚という名前で別注を探していた方にも、ここまでの幅の話はそのまま当てはまります。呼び名は売り場によって変わるだけで、間口に対して幅が足りるかどうかという問題は同じですね。この記事が扱っているのは、そのうち上置きを載せない腰高のタイプです。

変えられる範囲と、変えられない範囲

セミオーダーキッチンカウンターで注文時に選ぶ3つと、3型とも共通の項目を左右2列で対比した図解。選ぶのは幅3種類・ダストか引出かのタイプ・天板と下台のメラミン品番
選べるのは幅とタイプと色柄の3つです。奥行47cmと高さ90cmは3型とも共通で、選択肢としては用意されていません。

セミオーダーで変えられる範囲とは、商品ページで選択肢として用意されている項目のことです。

変えられるものは3つあります。

1つめは幅です。178.2cm、236.2cm、296.2cmの3つから選びます。

2つめはタイプです。ダストタイプか引出タイプかの2択になります。

3つめは色柄です。注文時に備考欄へ、天板と下台のメラミン品番を記入する方式になっています。プルダウンから色名を選ぶのではなく、品番で指定する形ですね。天板と下台を別々に指定できるので、床や壁のトーンに寄せたい方には効いてくるでしょう。

変えられないものも、はっきりしています。奥行47cmと高さ90cmは3型とも共通です。内部の強化化粧シートと背面のプリント化粧仕上げも同じです。これらは選択肢として用意されていません。

ここで一つ、思い違いが起きやすい点があります。色や仕様を選べるのはセミオーダーだけ、ではありません。既製品にも選択肢はあります。MARシリーズは天板メラミンカラーを10品番から、Claireは天板のストーンカラーを23色から選べます。FOGGYのCtypeなら天板カラー3色とレール2種。taupeは2品番とソフトクローズの有無、NOTは2色とレール2種という具合ですね。

違いは自由度の量ではなく、選び方の方式にあります。既製品は用意されたリストから選ぶ形。セミオーダーは天板と下台を、それぞれ品番で指定する形になります。ここを取り違えると、期待の向きがずれてしまうかもしれません。

商品ページに書かれていない項目もあります。3型以外の幅を相談できるかどうか、奥行と高さを変更できるかどうか、指定できるメラミン品番の範囲、取手や引き出しの段数。いずれも記載が見当たらないため、気になる場合は注文前に商品ページで確認してください。

注文の手順や、決めた内容をどのように伝えるかは、カップボードはオーダーで暮らしに合わせる|既製品との違いと注文の流れで流れごとに整理しています。

既製品で足りるケース、セミオーダーが要るケース

判断の分かれ目とは、間口の寸法と、色柄をどこまで合わせたいかの2つです。

まず、既製品で足りる場合から見ていきます。次の3つがそろっていれば、セミオーダーを開く必要はないでしょう。

  • 間口が、既製品の幅のどれかに収まる
  • 用意された色の中に、使いたい色がある
  • 待てる範囲で届く一台がある

3つそろえば、既製品で終わりです。ここは無理に別注へ寄せる場面ではないでしょう。

別注を見る意味があるのは、こういう場合ですね。

  • 間口が245cmを超えていて、既製品に受け皿が無い
  • 幅を236cm前後に寄せたい
  • 天板と下台を、別々の品番で組み合わせたい

正直に書いておくと、どちらでも解けない条件もあります。219cmから235cmの間口をぴったり埋める一台は、既製品にもセミオーダーにもありません。奥行47cm・高さ90cm以外の寸法にする方法も、商品ページには書かれていません。ここは先に知っておいたほうがよいでしょう。

判断の順番は、こうなります。

  • はじめに、間口の実寸を既製品の幅と突き合わせる
  • 合う幅があれば、次に色を見る
  • 色も足りていれば、既製品で決まり
  • 幅か色のどちらかが欠けたときだけ、別注を見る

この順番で当てていけば、迷う時間は短くなるでしょう。セミオーダーは最初に開く扉ではなく、既製品で埋まらなかったときの受け皿ですね。

費用の考え方(既製の同じ幅と並べて見る)

セミオーダーキッチンカウンター3型6通りの価格を並べた図解。ダストタイプと引出タイプの差は3型とも39,930円で、幅の段差は85,360円と45,540円
費用は幅の段とタイプの2つで動きます。タイプの差は3型とも39,930円です。

セミオーダーの費用とは、幅の段とタイプの2つで決まる価格のことです。

6通りの実額を並べます(2026年8月時点)。

  • 幅178.2cm:ダストタイプ254,430円/引出タイプ294,360円
  • 幅236.2cm:ダストタイプ339,790円/引出タイプ379,720円
  • 幅296.2cm:ダストタイプ385,330円/引出タイプ425,260円

この6つの数字には、きれいな規則があります。ダストタイプと引出タイプの差は、3型とも39,930円で同じです。幅を178.2cmから236.2cmへ上げると85,360円上がります。236.2cmから296.2cmへ上げるなら45,540円です。ダスト同士で比べても、引出同士で比べても、この差額は変わりません。

つまり費用は、幅の段とタイプという2つの目盛りで動きます。どちらをどれだけ動かすといくら変わるのかが、注文の前に分かる形ですね。

では、同じくらいの幅の既製品といくら違うのでしょうか。まず幅178cm前後で並べます。

帯が重なっていますね。別注の最安254,430円は、MARの最高282,260円やFOGGY Ctypeの最高281,215円より下にあります。この幅帯では、セミオーダーだから高いとは言えません。

幅238cm前後になると、関係が変わります。

ここでは別注が、既製品の最高値より上に出ます。178cm帯とはちょうど逆の関係ですね。同じシリーズ同士を比べても、幅帯が変われば上下が入れ替わるということでしょう。

もう一段広いところも見ておきます。既製品の最大幅は245cmで、【Claire】キッチンカウンター【245cm】が415,800円です。対してセミオーダー296.2cmのダストタイプは385,330円。幅は50cmあまり広いのに、価格は下になります。

幅が広いほど高くなる、という単純な関係ではないのですね。素材の違いが効いています。Claireの天板はアイカ工業のフィオレストーンという人造石で、この3型の天板はメラミンです。何にお金を払うのかが、そもそも違うのでしょう。

結論はひとつ。セミオーダーだから高い、ではありません。どの幅帯で、どのシリーズと比べるかによって関係は変わります。

同じ受注生産の考え方をダイニングテーブルの側でも見ておきたい方は、ダイニングテーブルのオーダーとは?セミオーダーの仕組みと選び方を解説もあわせてご覧ください。

河口家具のセミオーダーキッチンカウンター

河口家具製作所のセミオーダーキッチンカウンターとは、幅178.2cm・236.2cm・296.2cmの3型で展開する受注生産のシリーズです。

3型を並べます(いずれも2026年8月時点の商品ページの記載)。

3型に共通する事実は、ここで一度まとめておきます。天板と下台はアイカ工業のメラミン、内部は強化化粧シート、背面はプリント化粧仕上げです。受注生産で、商品ページには仕上がりまで60日と記載されています。注文の際は、備考欄へ天板と下台のメラミン品番を記入します。

価格と納期は変わることがあります。注文の前に、各商品ページで最新の記載を確かめておくと安心でしょう。

既製品も含めて横並びで見たい場合は、河口家具製作所のキッチンカウンター一覧から入ると早いでしょう。

よくある質問

食器棚やキッチンボードのオーダーを探しているのですが、セミオーダーのキッチンカウンターとは何が違いますか

この記事で扱っているのは、上に棚を載せない腰高のタイプです。天板がそのまま作業台として空く形になります。呼び名は売り場によって変わるため、同じものがキッチンボードや食器棚と書かれていることもありますね。上置きを載せるタイプを探している場合、ここで紹介している3型は対象から外れます。

セミオーダーのキッチンカウンターは幅を1cm単位で指定できますか

商品ページに用意されているのは、178.2cm・236.2cm・296.2cmの3つです。この3つ以外の幅を相談できるかどうかについては、商品ページに記載がありません。間口が3つのどれにも合わない場合は、注文の前に商品ページで確認してください。

天板や下台の色柄はどうやって選ぶのですか

注文時に備考欄へ、天板と下台のメラミン品番を記入する方式です。プルダウンから色名を選ぶ形ではありません。天板と下台を別々の品番で指定できます。指定できる品番の範囲は商品ページに記載がないため、決める前に確認しておくと安心でしょう。

ダストタイプと引出タイプで価格はどのくらい違いますか

3型とも39,930円の差です。178.2cmならダストタイプ254,430円に対して引出タイプ294,360円。幅が変わってもタイプの差額は同じですね。

幅245cmを超えるキッチンカウンターはありますか

既製品の最大幅は245cmです。それを超える幅で用意があるのは、セミオーダーの296.2cmだけになります。ダストタイプが385,330円、引出タイプが425,260円。245cmより広い間口を埋めたい場合は、この一台が受け皿になるでしょう。

まとめ|合わない数センチのために別注するかどうか

判断の順番を振り返ります。間口の実寸を既製品の幅と突き合わせ、合う幅があれば次に色を見る。色も足りていれば既製品で決まりです。幅か色のどちらかが欠けたときだけ、セミオーダーを開けばよいでしょう。

変えられるのは幅3種類、ダストか引出かのタイプ、天板と下台のメラミン品番の3つ。奥行47cmと高さ90cmは3型とも共通です。

幅を理由に選ぶなら、効いてくるのは238cmの手前と245cm超の2箇所ですね。費用は幅の段とタイプの2つで動き、タイプの差は39,930円、幅の段差は85,360円と45,540円になります。

数センチ合わないだけで、毎日の動きは少しずつ変わってくるでしょう。冷蔵庫の扉が壁に当たる。天板の端に置いた水切りかごが、いつも半分はみ出したまま。その小さな引っかかりを、この先何年ぶんまとめて引き受けるか。別注にするかどうかは、そういう問いなのでしょう。

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