ダイニングテーブルの椅子選びで「ベンチって実際どうなの?」と悩んでいませんか?見た目はおしゃれで省スペースに役立ちそうですが、子どもが落ちないかといった安全面や、掃除のしやすさ、長時間座ったときの快適さなど、気になる点も少なくありません。
本記事では、ダイニングベンチのメリット・デメリットから失敗しない選び方までを解説します。家族全員が安心して使えて、快適な食卓をつくるためのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ダイニングベンチのメリット
ダイニングベンチには、ほかの椅子にはない魅力的なメリットがたくさんあります。ここでは、ダイニングベンチを選ぶことで得られる6つの主要なメリットを詳しく紹介します。
テーブル周りがスッキリして見える
ダイニングベンチの最大の魅力は、テーブル周りをスッキリと見せられることです。
背もたれのないタイプを選べば視線を遮らないため、空間全体に開放感が生まれます。椅子を3〜4脚並べるよりも、ベンチ1台を置くほうが圧迫感を感じにくく、部屋を広く見せられます。
また、使わないときはベンチをテーブルの下に収められるため、ダイニング全体がより広々とした印象になります。LDKのスペースが限られていても、ベンチを取り入れることで家族の生活空間を有効に活用できます。
座る人数に制限がない
椅子は基本的に1脚につき1人しか座れませんが、ベンチであれば座面の幅に合わせて2〜3人が並んで座れます。
急に友人や親戚が訪ねてきても、追加の椅子を持ち出さずにそのまま座れるので便利です。普段は夫婦で並んで使い、来客時には3人で一緒に座るなど、状況に応じた使い方ができます。
さらに、大人2人と子ども1人が並んで座るといった使い方もできるため、子育て中の家庭でも安心して活用できます。家族構成の変化や来客の有無に柔軟に対応できる点は、ダイニングベンチならではの魅力といえます。
好きな場所に座れる
椅子の場合は座る位置が決まってしまいますが、ベンチなら座面の好きな場所を選んで座れます。
端に座って子どもの食事をサポートしたり、真ん中に座って家族との会話を楽しんだりと、その日の状況や気分に合わせて位置を変えられます。
さらに、椅子のように移動させる必要がないため、席の調整がスムーズにできます。忙しい朝の食卓でも、家族がそれぞれサッと腰かけてすぐに食事を始められる点は、子育て家庭にとって大きなメリットです。
子どもと一緒に使いやすい
子どもがいる家庭では、ダイニングベンチの便利さをとくに実感できます。
食事のときに親が子どもの隣にぴったり座れるため、スプーンの使い方を教えたり、こぼしたときにすぐフォローしたりと、食事のサポートがしやすくなります。
さらに、宿題やお絵描きの時間にも親子で並んで座れるため、一緒に取り組みやすい環境をつくれます。子どもにとっても、常に親がそばにいて見守ってくれる安心感が生まれる点は、大きなメリットといえます。
座る以外の用途にも使える
ダイニングベンチは、座る以外にもさまざまな用途で活躍します。
たとえば、買い物から帰ったときの一時的な荷物置きとして便利です。重い買い物袋を床に置いたり、テーブルまで持ち上げたりする必要がなく、程よい高さで荷物を置けます。
また、雑貨や観葉植物を飾ればインテリアのアクセントになり、家族の暮らしを彩れます。将来的にはダイニング以外の場所でも活用でき、玄関で靴を履くときの腰掛けや寝室のフットベンチとしても使えるため、長く愛用できます。
チェアよりもコストを抑えやすい
同じ人数が座れるようにそろえる場合でも、ベンチを取り入れることで費用を抑えられることがあります。
たとえば3人家族なら、椅子を3脚そろえるより「椅子1脚+ベンチ1台」の方が出費を少なくできるケースがあります。しっかりしたベンチを1台そろえておけば、椅子を何脚も買うよりも長い目で見て安心です。
また、将来家族が増えたときでも、ベンチがあればすぐにみんなで座れるため、椅子を買い足す必要があまりありません。結果的に、家計にやさしく長く使える家具として役立ちます。
ダイニングベンチのデメリット
メリットが多いダイニングベンチですが、購入前に知っておくべきデメリットもあります。ここでは、実際に使用する際に感じやすい5つのデメリットを紹介します。
重いため掃除や模様替えの際に不便
ダイニングベンチは椅子に比べてサイズが大きく、しっかりとした分だけ重さもあります。
日常的な掃除の際、ベンチの下を掃除機で掃除したいときに、一人で移動させるのが大変な場合があります。とくに無垢材を使用したベンチは、しっかりとした作りである分、重量感があるのが特徴です。
また、模様替えをする際にも、椅子のように気軽に移動させることができません。事前に家族に手伝ってもらう必要があったり、配置を変える頻度が減ったりすることもあります。
ただし、この重さは安定性にもつながります。子どもが座っても倒れにくく、安心して使えるという点ではメリットにもなります。
パーソナルスペースを確保しにくい
ベンチは複数人で並んで座るため、どうしても隣の人との距離が近くなりやすい特徴があります。
家族同士であれば気にならないことも多いですが、来客があるときは注意が必要です。大人同士が並んで座ると、肘がぶつかってしまったり、食事のときに少し窮屈さを感じたりすることがあります。
さらに、食事中に一人だけ席を立ちたいときは、隣の人にも動いてもらわなければならない場面も出てきます。
ただし、座面が広めのベンチを選んだり、座る位置を工夫したりすれば、快適さをある程度確保できます。
長時間座っての作業には向かない
背もたれのないベンチは、どうしても長時間の作業や勉強には向いていません。
食事なら快適に使えますが、在宅ワークでダイニングテーブルを利用したり、子どもが宿題や工作をしたりする際には、背中を支えるものがないため疲れやすくなります。
姿勢を保ちにくいことで、腰に負担がかかる可能性もあるため、作業時間が長くなりそうなときは背もたれ付きの椅子を併用する方が安心です。
座る人に合わせて高さを調節できない
椅子のように個人の体型に合わせた高さ調節ができません。
家族の身長差が大きい場合、全員が快適に座れる高さを見つけるのが困難な場合があります。とくに子どもから大人まで幅広い年齢層が使用する場合、誰かにとっては座りにくい高さになってしまうことが多いです。
座布団やクッションを使用して高さを調整する方法もありますが、根本的な解決にはなりません。購入前に、主に使用する家族の身長を考慮してベンチの高さを慎重に選ぶことが重要です。
4本脚のテーブルとの相性が悪い
テーブルの脚の位置によっては、ベンチとの相性が悪い場合があります。
たとえば、4本脚のテーブルの場合、ベンチに座ろうとしたときにテーブルの脚が邪魔になり、スムーズに座れないことがあります。椅子なら脚を避けて座れますが、ベンチは幅があるため、脚の位置を避けにくいのです。
この問題を避けるためには、購入前にテーブルとベンチの寸法を正確に測り、座る際に脚が邪魔にならないかを確認することが大切です。または、2本脚やT字脚のテーブルを選ぶことで、この問題を根本的に解決できます。
ダイニングベンチが向いている人・向いていない人
ダイニングベンチのメリット・デメリットを踏まえて、どのような方に向いているのか、また向いていないのかを整理してみましょう。
ダイニングベンチが向いている人
ダイニングベンチが向いている人は以下のとおりです。
- 小さな子どもがいる家庭
- 限られたスペースを有効に使いたい家庭
- 来客が多い家庭
- コストを抑えたい家庭
ダイニングベンチが向いていない人
ダイニングベンチが向いていない人は以下のとおりです。
- 自分のスペースを大切にしたい人
- 長時間ダイニングで作業をする人
- 模様替えをよくする人
- 家族の体格差が大きい家庭
使いやすいダイニングベンチの選び方
ダイニングベンチを選ぶ際は、見た目の美しさだけでなく、実用性も重視することが大切です。ここでは、失敗しないベンチ選びのポイントを詳しく解説します。
背もたれの有無
背もたれの有無は、ベンチの使い勝手を大きく左右する重要なポイントです。
背もたれのないタイプは、空間をすっきり見せられる効果が高く、どの方向からでも座れる手軽さがあります。テーブル下に収めやすく、移動も比較的楽なので、食事中心で短時間の利用が多い家庭に向いています。
一方で背もたれのあるタイプは、長時間座っても疲れにくく、リラックスして食事や会話を楽しめます。転倒防止にもつながるため、子どもや高齢の家族がいる家庭では安心して使用できます。
ただし、存在感がある分、スペースが限られていると圧迫感を感じる場合もあります。どちらを選ぶかは、家族の使い方や部屋の広さを考慮して決めるのが安心です。
座面の素材
座面の素材選びは、見た目の印象だけでなく、メンテナンス性や快適性にも大きく影響します。
木材
無垢材や突板を使用した木製の座面は、自然な温もりと経年変化を楽しめるのが魅力です。定期的なオイル塗装により、年々味わい深くなっていきます。汚れても拭き取りやすく、メンテナンスが比較的簡単です。
ただし、長時間座ると硬さを感じやすく、冬場はひんやりとすることがあります。自然素材の質感を重視する方におすすめです。
ファブリック
布張りの座面はクッション性が高く、柔らかい座り心地を楽しめます。カラーやデザインの種類も豊富なので、インテリアに合わせて選びやすいのが魅力です。冬でも座ったときに冷たさを感じにくく、長時間座っても体が疲れにくい点もメリットといえます。
ただし、汚れがつきやすく、お手入れに手間がかかることがあります。子どもがいる家庭では、カバーを外して洗濯できるタイプを選ぶと、清潔に保ちやすく安心して使えます。
レザー
本革や合成皮革の座面は、高級感があり汚れに強いのが特徴です。とくに合成皮革は撥水性が高く、食べこぼしや飲みこぼしをサッと拭き取れます。色あせしにくいため、長い間きれいな状態を保ちやすい素材です。
一方で、夏場は蒸れやすく、表面に傷がつきやすい点には注意が必要です。定期的にお手入れをすれば、清潔さと見た目の美しさを長く楽しめます。
ペーパーコード・ラタン
編み込まれた座面は軽くて持ち運びしやすく、デザイン性の高さも魅力です。体に馴染みやすい座り心地で、通気性もあるため季節を問わず快適に使えます。北欧風のインテリアとの相性がよく、ダイニングの雰囲気をおしゃれに演出できます。
一方で、編み目の隙間に汚れが入り込みやすく、掃除に手間がかかる点には注意が必要です。さらに、長く使ううちに編み目がゆるむこともあり、定期的な張り替えが必要になる場合があります。
座面の高さ
座面の高さは、快適性を大きく左右する重要な要素です。
一般的に、座面の高さは「使用者の身長の4分の1程度」が目安とされています。たとえば、身長160cmの方であれば、座面高は40cm程度が適切です。
また、テーブルとの高さの関係も重要で、テーブル天板と座面の差が「27〜30cm程度」あると、自然な姿勢で食事や作業をしやすくなります。
家族の中で身長差がある場合は、もっとも頻繁に使う人に合わせて選ぶのがおすすめです。そのうえで、子どもや小柄な人が座るときには、座布団やクッションを活用すると快適に過ごせます。
ベンチの幅
ベンチの幅は、使用人数と設置スペースを考慮して決めましょう。
2人掛けサイズ(幅120〜160cm程度)は、夫婦やカップルでの使用に適しています。
3人掛けサイズ(幅150〜160cm程度)は、家族での使用や来客対応に便利です。ただし、テーブルサイズとのバランスを考慮する必要があります。
テーブル下に収納する場合は、テーブル幅より10〜20cm短いベンチを選ぶとスムーズに収納できます。座面の実寸法も確認し、実際に座る人数に対して十分な幅があるかチェックしましょう。
収納の有無
収納機能が付いたベンチは、限られたスペースを有効に使える便利なアイテムです。
座面の下が収納スペースになっているタイプなら、ランチョンマットやテーブルクロス、来客用の小物などをまとめてしまっておけます。リビングダイニングで散らかりがちな子どものおもちゃや雑貨も片付けやすく、部屋をすっきり見せられます。
ただし、収納機能が付く分だけ重さが増し、価格も高くなる傾向があります。さらに、座面を持ち上げて出し入れするタイプは、頻繁に使うものの収納にはあまり向きません。
収納の必要性や使う頻度を考えたうえで、本当に必要かどうかを判断することが大切です。
ダイニングベンチとチェアを組み合わせるのも◎
ダイニングベンチを検討している方には、ベンチとチェアを組み合わせる「ハーフ&ハーフ」スタイルもおすすめです。両方のメリットを取り入れられるので、使い勝手のバランスがよくなります。
たとえば、テーブルの片側にベンチを置き、反対側や両端にはチェアを配置するレイアウトです。ベンチ側では親子が並んで座れて、チェア側では一人ひとりの空間を確保できます。来客時にはベンチで複数人に対応し、普段の食事では背もたれのあるチェアでゆったり過ごせるなど、シーンに応じて柔軟に使えます。
異なる家具を組み合わせる際には、素材や色をそろえると空間に統一感が生まれます。
ダイニングベンチとチェアを組み合わせるのも◎
株式会社河口家具製作所では、デザイン性と機能性を兼ね備えたダイニングベンチを取り揃えています。ここでは、とくに家庭での使いやすさを考慮した、おすすめの2つのベンチをご紹介します。
【Lily】ナチュラルな風合いで部屋に馴染みやすい織り込みのベンチ

Lilyは、ペーパーコードを丁寧に織り込んだ座面が魅力のベンチです。北欧デザインを取り入れたシンプルで美しいフォルムは、どんなインテリアにも自然に馴染み、ダイニングを心地よい空間にしてくれます。
座面は編み込みによって適度な弾力があり、長時間座っても疲れにくい設計になっています。軽量で移動がしやすいため、日々の掃除や模様替えもスムーズに行えます。座面の高さは45cmで、一般的なダイニングテーブルとの相性も抜群です。
さらに、職人の手作業による丁寧な仕上げで、使い込むほどに風合いが増していきます。ナチュラルテイストの部屋作りをしたい方や、温かみのある暮らしを楽しみたい子育て家庭にもおすすめできるベンチです。
【KT】木製天板と鉄脚の組み合わせで温かくも力強い印象のベンチ

KTシリーズのベンチは、無垢材の温かみとスチールの力強さを組み合わせた、モダンで存在感のあるデザインが魅力です。座面にはホワイトオーク突板を使用し、側面耳部には無垢材を用いることで、自然な木目の美しさを活かしています。
脚部はスチールフレームを採用しており、高い安定性と耐久性を備えています。幅164cmとゆとりのあるサイズ感で、3人が並んで座れるため来客時にも活躍します。座面の高さは44cmで、立ち座りがしやすい点も日常使いに適しています。
無垢材ならではの経年変化によって、年月を重ねるごとに色合いが深まり、味わいが増していきます。定期的なオイルメンテナンスにより、長期間美しい状態を保てる、まさに「一生もの」のベンチです。
まとめ
ダイニングベンチは、省スペースで複数人が座れる利便性と、空間をスッキリ見せる視覚効果が大きな魅力です。とくに子どもがいる家庭や、限られたスペースを有効活用したい方には、その利便性を実感していただけるでしょう。
一方で、長時間の作業には不向きだったり、隣との距離が近くなりやすかったりする点もあります。背もたれの有無や座面の素材、高さなどをしっかり検討することで、ご家庭に合った一台を見つけやすくなります。
株式会社河口家具製作所では、お客様のライフスタイルに合わせたダイニングベンチを豊富に取り揃えております。デザイン性と機能性を兼ね備えた高品質なベンチで、ご家族みなさまが快適に過ごせるダイニング空間を実現いたします。
みなさまの素敵な暮らしづくりをお手伝いさせていただきます。理想の家具をお探しの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
